会長メッセージ(2024年10月)

ブラッシュアップセミナー2024にご参加ください。

1.当セミナー実施の背景

① コロナ禍対策のゼロゼロ融資の返済が来年から徐々に始まります。

 コロナ禍で、無担保・無保証・無利息融資を借りた中小企業経営者は30万人と言われています。この融資は信用保証協会が金融機関に代わって保証する仕組みで、国の危機管理対策でセーフティネット保証4号5号に基づいて施行されるものです。

 この制度のお陰で、コロナ禍による倒産は、リーマンショック時の倒産を下回り、効果が高かったとされています。しかしながら、返済が始まると倒産する企業が多いのではないかと言われています。倒産した時の残債は信用保証協会が持つということですから、税金を使いますので、国民の負担になります。
 コロナ禍の時の都心の人通りはまばらでしたが、今ではインバウンドも伸びて大混雑しています。この活気なら売り上げも伸びているでしょうから、返済もできるのではないかと思いますが、個別差が大きく、ヒアリング調査が必要です。

 経営者は、本人がなりたくて経営者になった人ばかりと思いますが、経営者としての意識が高い方は、返済義務があることを予測して対策を立てていますから、苦しい時代の業界をリードしていく立場になることができます。そこまではできないとしても、前向きな姿勢があれば、支援する側も張り合いがあります。
 ところが、苦しくなると、「経営者とはこういうものだとは思わなかった」と話す方がいて、倒産した方が楽だと思っているように見受けられます。恐らく、倒産してからの生活がどのようになるのかを予測できないのだと思います。類は友を呼ぶで、似た境遇の人々との付き合いで暮らしていかなければいけないことを伝えるようにしています。
一歩前進し、2歩下がっても3歩前進すれば状況は改善します。諦めないことが重要です。

➁ 当会は認定支援機関です。

  中小企業庁の外郭団体である中小企業基盤整備機構の中小企業大学校では認定支援機関になるためのセミナーを開催しています。このご時世ですから、支援者が不足しており、支援者を増やすために、セミナー実施回数を増やすだけの人手が足りないとのことで、テキストを公開し、講演録をYouTube配信しています。

 内容は、経営改善・事業再生支援研修「基礎編」「実践力向上編」です。
倒産しそうな状況まで陥ってしまった経営者に対して、倒産を避けて経営力向上を図っていただくよう支援するには、どのように支援すればよいか、例えばバンクミーティングの進め方等についても説明しています。
 当会会員は、既に受講済みの者が多いのですが、常に新しい情報を取り入れるために、繰り返し、活用しています。

➂ 経営者が考え、決断して計画策定できるように支援します。

  これまで中小企業診断士は情報提供を行ってきました。経営者は提供された情報を活かして自社のマネジメントを行ってきました。しかしながら、世の中は急激に変化しており、中小企業・小規模企業事業者が先を見通すことが困難な時代において、成長・事業継続していくには、経営者自らが自社の経営課題を見極め、様々な環境変化に柔軟に対応して自社を変革させていく「自己変革力」を高めることが必要となっています。

 令和5年6月に中小企業庁から「経営力再構築伴走支援ガイドライン」が出ました。
伴走支援という言葉はあちこちで聴きますが、ここでいう伴走支援について説明します。
支援者は経営者の話を傾聴し、経営者の意図を理解して、話を進めることができたら、経営者は信頼し、本音を話せるようになります。

 つまり、経営者が自分の心に向き合って話せるようになります。経営者は社内で潜在的に発生している問題や、成長に向けた事業活動のボトルネックになっている要因に気づいていない場合が多いのですが、経営者の話の中から、本当の問題は何かが垣間見られ、そのことについて深掘りすることを勧めることで、経営者が自ら気付き、自らが進むべき方向へ腹落ちした時に、経営者自身の潜在的な力が引き出されるとしています。

 経営者が腹落ちすると、そのパワーは絶大で、疲れ知らずで前進できるようになります。
今回のブラッシュアップセミナーでは、以上のような「伴走支援」ができる当会の中小企業診断士が対応させていただきますので、安心してご参加ください。

2.ブラッシュアップセミナー2024の参加の仕方

① ブラッシュアップセミナー2024の体制

 体制についてはこれまでと同様です。
当会が主催し、研修費を予算計上しています。
西武信用金庫から協賛金を頂いています。
経営者は西武信用金庫のお客様でしたら参加費無料です。
セミナー期間は10月15日から2025年1月31日までです。
オンラインで行ないます。
成果発表会をリアルで行う予定ですのでお楽しみになさってください。
西武信用金庫の担当者へ参加申し込みをお願いします。

申し込みをされた経営者には、次のABCの3ステップを進んでいただきます。

A. コンテンツをご視聴ください。

 申し込みをされた経営者様に、YouTube配信のURLをお知らせします。
先ず、「初めに」をご覧いただくと「進め方」の説明があります。
1コマ10分程度で視聴できる20個のコンテンツがありますので気になるものをご視聴ください。
20名の中小企業診断士が、それぞれ、最も中小企業経営者にお役にたつであろうと考えた内容で作成したものです。
ここでは、次のステップで「話しを聴いてほしい中小企業診断士」を捜していただきます。
「話しを聴いてほしい中小企業診断士」が見つかりましたらアンケートに回答し送信してください。

B. 指名した中小企業診断士と対話してください。

 指名した中小企業診断士から連絡がありますので、お互いの日程を調整してください。
日程調整が出来ましたらZoom設定し、リモートですが、お互いの顔を見ながら話ができます。
経営者お一人に対して、3名の中小企業診断士がワンチームになって傾聴させていただきます。これは、勘違いをしたまま先へ進めてしまうようなことの無いようにするためです。
自己紹介から始め、信頼関係が出来ましたら、現状の困っている点をお話しください。
相互理解が進み、信頼関係を築き、リラックスして話し合うことで、これまで気付けなかったことを気づくようになれれば良いと思います。

 制限時間は2時間で設定しますので、足りなければ改めて日程調整します。
途中の休憩等は随時要求してください。
経営者の方のほとんどが、相談相手がいないとおっしゃいます。この機会をぜひ活用して下さい。

C. 話し合いにより新たな視点が生まれましたでしょうか。新事業計画書を作成しましょう。

 激動する外部環境を生き残る企業の経営者として新たな視点が生まれましたでしょうか。
新事業計画書を作成しましょう。

 お望みであれば、引き続き伴走委支援させていただきます。
補助金・助成金の申請をされる場合は、申請支援も行いますのでご活用ください。

3. 参考資料

中小企業白書2024年版から2件のみ、参考情報を添付します。
当会が主催し、研修費を予算計上しています。

① コロナ禍が収束し中小企業の業況判断DIは高水準で回復しています。

中小企業白書の図表2-3-1をご参照下さい。
「新たな需要を獲得するための行動をとるべき」と考える経営者がコロナ禍の2020年では30.3%でしたが、2023年では41.3%に増えています。
 経営者が直面している課題は、売上高が回復し、採用が盛んで、人手不足が深刻化していることです。高齢者採用、女性の採用がなされ、これ以上は就業者数の増加が見込めないことから、機械化やソフトウエア導入による省力化投資が行われています。
 国際関係悪化や円安による物価の上昇が顕著で、収益性が減少しています。コスト計算を行って適正価格を明確化し、単価の引き上げを行うことを推奨しています。 
更なる売上拡大を望むのであれば、顧客ターゲットを明確化することが効果があるとしています。

➁ 支援機関に相談する経営者の方が営業利益が「黒字」になる割合が多いとしています。

 支援機関とは、商工会・商工会議所、よろず支援拠点、税・法務関係士業、中小企業企業診断士、金融機関等の認定支援機関のことです。当会も認定支援機関です。
支援機関によって対応力の幅が少ないところも在るので、支援機関自身の内部研修や他の支援機関との連携を図るように指導しています。
 理想的な支援可能な経営課題として以下のようなテーマを列挙していますが、当会では専門性が異なる90名以上の中小企業診断士が協力しあっていますので、すべての経営課題に対応可能です。
「事業計画策定」「販路開拓・マーケティング」「生産設備増強、技術、研究開発」「人手不足」「人財育成」「資金繰り」「経営改善」「事業再生」「事業承継・M&A」「海外展開」「創業」「デジタル化・DX」「価格転嫁」「脱炭素化・GX」

今後とも一般社団法人渋谷区中小企業診断士会を、ご指導・ご鞭撻ください。

以上。

一般社団法人渋谷区中小企業診断士会
会長 瀬尾千鶴子

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渋谷区中小企業診断士会
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