会長メッセージ(2021年8月)

1.「事業再構築補助金」をご存知ですか

 コロナ禍で売上が10%以上減少した事業者を救済する補助金です。この補助金をご存じない方が多く、もったいないので、活用をお勧めしています。

 この補助金は、コロナ禍が長引いている現状では、これまでのようなやり方では売上回復が難しいことは明らかで、顧客の行動に合った商品サービスの提供方法を工夫して売り上げ維持を図っている企業は多くなっています。それだけでなく、世の中の変化として、技術力の進展や、生活者の意識の変化を見据えて、ウイズコロナ・ポストコロナの経済社会の変化に対応できるよう、事業再構築にチャレンジする中小企業を支援しようとするもので、そのことにより日本経済の構造転換を促すことを目的としています。

2.中小企業庁の「事業再構築補助金」のホームページをご覧ください。

 公告でコンサル会社のものが沢山ありますので、中小企業庁のものであることをご確認ください。申請に必要な資料のダウンロードと、制度説明の動画が掲載してあります。

 先ずは、動画をご覧ください。一本見るのに25分ほどです。6本ありますので、一度にすべてを見るのは大変ですが、小分けにしてでも、総てを視聴されることをお勧めします。経済産業省の力が入っていることが伝わってきますし、重要なことは何なのかが理解できます。

 次に「採択事例紹介」をご覧ください。第1回目に採択された事例の中から参考にしてほしい「事業計画書」4本が掲載されています。これにより、事業計画書の書き方、全体構成の流れや、事業再構築で「なに」を「どのようにしたいのか」を明確に示すことが重要なことが理解できます。写真やグラフが多く、その方が分かりやすいことも理解できます。

 最後に、「公募要領」をご確認ください。この公募要領は、事業再構築補助金の制度が今年始まったばかりで、仕組みについて改善しながら進めているのだと思われますが、一週間でまた更新されることがありましたので、度々の確認が必要です。

3.「公募要領」のチェックポイント

ここでは、令和3年7月発行の(第3回)1.1版のページ数で説明します。

①本事業の申請には「GビズIDプライムアカウント」の取得が必要で、取得に時間が掛かりますので早めにご準備ください。

②当補助金では、2種類の「類型」があり、いずれも事業計画書のサマリーで明示する必要があり、その説明は、P.9~掲載してあります。

 類型Ⅰ:「通常枠」「大規模賃金引上枠」「卒業枠」「グローバルV字回復枠」「緊急事態宣言特別枠」「最低賃金枠」の6類型があり、それぞれ補助金額等が変わりますのでご確認ください。

 類型Ⅱ:「新分野展開」「事業転換」「業種転換」「業態転換」「事業再編」とあり、それぞれの違いについては「事業再構築指針」で公表しています。分かりにくいのですが、これはどれであっても間違いとはせず、事業計画書の構成を合わせてほしいとのことです。

③事業のスキームをご確認ください。P.21~説明してあります。

 公募期間内に「申請」すると、審査し、「採択」が決まりますが、その後に「交付申請」を行って、一年以内に「実施報告書」を提出し、確定検査を行って初めて「交付金額」が確定し、「補助金請求」を行って初めて補助金を受け取ることができます。

この間の資金は金融機関に協力してもらうと実行可能性の点数が高くなります。

④審査項目をご確認ください。P.34に説明があります。

 今回は初めて「認定支援機関」との協力で申請することになりましたが、認定支援機関が注目するのはここです。
特に、(2)①の実行可能性であり、実施体制図が必須と考えています。

4.経営者の本領を発揮してください。

 わたくしども、中小企業診断士は、SWOT分析を重要視します。強みを発揮してチャンスを掴むことが経営戦略であると考えています。

 私個人のことで恐縮ですが、小学校5年生の時に税理士法ができ、税務署に勤めていた父が税理士として独立開業しました。のんびりした時代でしたから、父がお客様のところに私を連れて行ってくれて、経営者と話している父を目の当たりにしましたし、いろいろな事業の特徴があることを父が私に解説してくれたことが私の興味を引いて、天職になったと思っています。経営者のお役に立つことが私の役割であるというプライドは誰にも負けないと思っています。

 経営者のお話を伺っていて、私が注目するのは、何にプライドをかけていらっしゃるかです。経営者は毎日戦っていらっしゃるので、才能となってほとばしり出てくるのです。ニーズに対応して変化するとしても強みを生かしきっているかどうかが、この事業再構築補助金の審査でも評価されると思います。

以上です。

5.認定支援機関にご相談ください。

 私ども「一般社団法人渋谷区中小企業診断士会」は今年7月に認定支援機関5年目更新が認定されました。(支援機関ID103613000720)

 今回の事業再構築補助金の申請では、認定支援機関と一緒になって事業計画書を作成することが決められています。既に、事業再構築補助金申請第1回から申請支援を行っています。経営者から感謝されるのは、ご自分では気が付かない「強み」を明確にして差し上げることです。経営者として当然のことのように行っていることではあっても、改めて認識することで、背筋が伸びるとのことです。

 私どもは「経営者ファースト」で臨ませていただきます。個別支援も、説明してほしいところだけ説明させていただきます。聞いてほしいところをじっくり聞かせていただます。弊会の会員70名超で常に研究会を開催し研鑽しています。

貴社の強み・魅力を引き出させていただきます。その結果、貴社オリジナルの事業計画書が出来上がります。

どうぞ、私どもをご活用ください。

以上です。

一般社団法人渋谷区中小企業診断士会
会長 瀬尾千鶴子

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