ものづくり補助金 グローバル市場開拓枠により海外展開が身近に!
昨年後半からの円安影響も踏まえ、輸出に関心のある経営者の方も増えてきました。診断士にも越境ECに対するお問い合わせをいただくようになってきております。
そういう背景の中、モノづくり補助金の枠の中で、「グローバル展開型」の見直しがされ、内容も拡充したものに変更されました。
これは、政府が令和4年12月16日から開始した、新規輸出1万者支援プログラムとも連動しており、従来のグローバル展開型と比べて格段に使いやすい内容となっています。
「グローバル市場開拓枠」とは?
2020年に「グローバル展開型」という、補助金の新しい類型ができました。ただ、実際には使いづらい点があったため、令和4年度の第14次申請より下記のように変更されています。
特に②海外市場開拓(JAPANブランド)類型が、使いやすく変更されました。
補助金申請する為の要件
この補助金は、海外事業への進出や拡大を目的としており、申請する為には以下のいずれかに該当する必要があります。
出典:第14次ものづくり補助金 公募要領
グローバル市場開拓枠補助金の概要
下記の図は、グローバル市場開拓枠について公式ホームページでわかりやすくまとめたものです。
出典:ものづくり補助事業公式ホームページ
https://portal.monodukuri-hojo.jp/common/bunsho/ippan/14th/gaiyou_14_20230119.pdf
今までのグローバル展開型と、市場開拓枠の違い
具体的に、今までのグローバル市場開拓枠と従来のグローバル展開型とでは、どのような違いがあるのか、相違点について以下のようにまとめました。
1. JAPANブランド育成支援事業が廃止され当類型に統合
令和4年度までの「JAPANブランド育成支援事業」が廃止され、グローバル市場開拓枠内の「海外市場開拓(JAPANブランド)」類型として統合されることになりました。
これにより、中小企業などの国内事業者が海外輸出向けの新製品開発にかかる設備投資や開発費用、さらにブランディング・プロモーションにいたるまでを一貫して支援してもらえる仕組みが誕生しました。
2. 補助金下限金額が100万円に下がりました
(補助金 1,000万円~3,000万円だったものが 100万円~3,000万円へ )
グローバル市場開拓枠では、補助下限額が従来の1,000万円から100万円に大きく引き下げられました。
これにより、活用に対するハードルが大きく下がり、非常に使い勝手が良い支援制度となりました。補助上限額は従来と変わらず3,000万円です。
3. 応募期間が長い
グローバル市場開拓枠が追加となった14次募集では、従来のグローバル展開型を含む13次募集と比較すると、公募開始から応募締切まで3ヶ月以上長い応募期間が設けられています。たった3ヶ月の延長と思われるかもしれませんが、グローバル市場の開拓には、多くの準備作業があり、3か月あればできることも多くなります。
4. 対象経費が増えた
海外渡航および宿泊に要する経費も対象となりました。
また、海外市場開拓(JAPANブランド)類型の場合、費用の対象が拡大され、ブランディング・プロモーションに係る経費も補助対象となりました。
具体的に言うと、「通訳および通訳を依頼する場合に支払われる経費」「海外展開に必要な広告(パンフレット、動画、写真等)の作成及び媒体掲載、展示会出展等、ブランディング・プロモーションに係る経費 のことになります。
取り組んでいただきたい企業様
以下のような取組みを行いたい企業様にとっては、ぜひ検討していただきたい補助金になります。
・海外支店や子会社に新たな設備投資を行いたいが、資金が不足している
・現行の国内事業を拡充し、訪日外国人観光客を新たなターゲットとして取り込みたい
・製品を海外へ輸出する新事業を検討中だが、ブランディングやプロモーションにかける資金が不足している
利用する際の注意点
今回の改定で、「広告宣伝費・販売促進費」が補助対象経費の1/2まで認められることになり、さらに広告宣伝・販売促進に必要な通訳・翻訳費も今回の拡充によって補助対象に加えられました。
しかし、海外進出に必須な通訳・翻訳日が対象になったことで、ぐっと使いやすくなっていますが、通訳・
翻訳費については補助対象経費の1/5までとされているため、事業計画作成時にはご注意ください。
認定支援機関のサポート
既に、多くの皆さまがご存じの通り、ものづくり補助金には、認定支援機関のサポートが必要になります。
認定支援機関とは、弁護士や税理士、中小企業診断士などの士業や、銀行や信用金庫などの金融機関、商工会や民間コンサルタントなど、一定レベル以上の専門性を持っていると国の認定を受けた支援機関になります。 (当渋谷区中小企業診断士会も認定支援機関となります)
補助金申請に加点となる取り組み
以下の「新規輸出1万者支援プログラム」に参画していただくことで、補助金申請の際に有効な加点となります。
新規輸出1万者支援プログラム
経済産業省、中小企業庁、ジェトロ及び中小機構が一体となり、全国の商工会・商工会議所等とも協力しながら、以下の4つの取り組みから自社に適した支援メニューを選ぶようになっています。
認定支援機関もあわせ、うまく活用していただければと思います。
①輸出に挑戦するか迷っている
②商品開発やブランディングなど輸出に向けた準備をしたい
③輸出先を決めたい
④輸出の手段やパートナーを見つけたい
以上、政府は令和5年度にも引き続き輸出拡大に力を入れていきますので、ぜひご検討いただきたいと思います。
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