中小企業のマーケティング成功のカギは外部人材の活用
本記事では、中小企業の経営者・役員・事業責任者の方に向けて、中小企業のマーケティング(顧客獲得や売上利益アップ)の成功に向けたポイントについて解説しています。
人材不足・ノウハウ不足・予算不足など、様々な経営課題をはらむ中小企業のマーケティング。限られた資源の中でいかにして売上・利益をアップさせることができるか、日々思考を巡らせている方も多いかと存じます。
今回は、外部人材の活用を軸に、具体的な成功事例・失敗事例や成否を分けるポイントについても紹介しますので、ぜひ最後までお目通しくださいませ。
中小企業のマーケティングとは
まず、中小企業におけるマーケティングとはどのような内容なのかを見てみましょう。
本記事では、スバリ「最小限のコストで売上・利益を上げるための活動」と定義します。
見込み顧客に自社を知ってもらい、商談の機会を作り、検討を深めてもらい成約、そして継続して利用してもらうことを指します。もちろん、市場調査やテスト等の検証もマーケティングの中に入りますが、今回はより売上・利益に直結する内容を中心とします。
また、よく目にするマーケティングの各種分析手法(SWOT分析や3C分析など)ももちろんマーケティングの一環であり有効なフレームワークです。
しかし、大企業の新規事業では必要になる場合もありますが、ほとんどの中小企業においては、そうした分析に大きな時間とお金をかけるよりもより小回りの効く活動をするほうが効果的な場合が多いです。
小さなトライ&エラーを繰り返し、どのような形が一番自社が顧客や市場に対して価値を提供できるかを図るのは、中小企業のマーケティングの大きな役割の一つです。
以下は、中小企業におけるマーケティングの各段階とその打ち手の一覧です。
中小企業のマーケティングの特徴
中小企業のマーケティングは、限られた経営資源の中で各段階ごとに計画〜実行まで行っていく必要があり、工程が数多くあります。
また、今自社にとって何が一番必要なのかという現状分析と、優先順位を決めるための費用対効果のシミューレーションなど、実際に活動をするためには多くの付随事項を検討する必要があります。
さらに、社内だけで完結することができない場合が多く、外部の手を借りることも多いのが特徴です。社内にどのような機能をもたせ、どのような組織にしていくか、という中長期的な展望が必要になることも多くあります。
短期的には、
- 内の誰がどこまでやるのか
- 優先順位はどこまで上げるのか
- 本当に今やる必要あるのか
といった懸念がでてきますし、
中長期的には、
- どのノウハウを社内に貯めるか
- 外部連携は誰がどうやるか
- どんな会社にするか
- 当該人材を採用すべきか
といった事項も決めていく必要があります。
成功するマーケティング関連プロジェクトの共通項
マーケティング関連プロジェクトで大事なことは、いかにプロジェクトを推進し会社に成果を残していくかということでしょう。成功するマーケティング関連プロジェクトの共通項をご紹介します。
うまく成果がでるプロジェクトに共通するポイントは、
- 社内のやる気・当事者意識のある人(社員)が担当する
- 計画策定だけでなく、実行とその結果にしっかりと注目が集まるような会議体設計や社風
- マーケティング手法だけでなんとかするのではなく、商品・サービス全体で成功を考える
- 事業を継続・発展させる投資の一環という認識を醸成する
といった要素です。
特に外部を巻き込んだプロジェクトの場合、社内に一人でも強い課題感や当事者意識を持った方がいると、社内での優先順位が下がることなくプロジェクトが滞りなく推進されやすいです。
例えばWebを使ったプロジェクトであれば、Webに関する知識やスキルを身につけたいと思っている人をチームにいれることで、意欲的に取り組んでもらえる可能性が高まります。
また、実行やその成果についてしっかりと社内の注目度を上げることも、継続的なプロジェクト推進において重要です。計画策定とその社内発表にばかりが注目されその後の実行がおろそかにならないよう、定例会議化や全社イベントでのコーナー化などで自然に成果を発表する機会を設けましょう。
そして、商品・サービス全体で成功に向かって取り組むことも大切です。ホームページや広告などの手法だけで成果を狙うのではなく、ときには商品・サービスの中身や対象顧客を変えるなど、根幹から取り組むことで成功確率が格段に上がり、規模の大きな成果を狙うことも可能になります。
加えて、マーケティング関連プロジェクトが今後の事業継続や発展における大事な投資であるという認識を社内全体でつくるのも重要です。成果を残していくためには、ときに粘り強く実行を重ねていくことが大切ですが、短期的な成果ばかりに目が行くと、計画の実行途中で予算縮小などがおこり中途半端になってしまいがちです。
中小企業のマーケティングの肝は「実行」
着手する打ち手が決まり、いざ実行しようという段階にくると、次は「何から始めればよいかわからない」という壁にぶつかるケースも多いです。
もともと、社内に人手やノウハウがない領域なので当然ですし、様々なマーケティングの打ち手は一つひとつ専門性が高いのも大きな要因です。また、それぞれの打ち手の前後の段階についても深く知っていないと成果につながる活動になりづらいというのも実態です。
例えば、ホームページをしっかりと作って検索で上位に表示されることに成功しても、検索キーワードやページ内容を誤ると、見込み顧客とは異なる人達からの問い合わせが増えてしまい、対応ばかり忙しくなり売上に繋がらないというケースもよくあります。
「やることは多岐に渡るし、どれも専門性が高い」というのが中小企業のマーケティングの特徴です。一方で、AIや各種ツールの発展により比較的簡単に誰でもマーケティング施策に取り組みやすくなっているのもまた事実です。
そこで大事なポイントは、うまくプロジェクトの目標とする成果に結びつけるようなプロジェクトマネジメント、体制づくり(役割分担)を行い、正しく実行していくことになります。
また実行後にうまく成果に結びつかないと、社長は成果の遅さに焦りが出て、社内担当者は評価されないのではないかと不安になり時間をかけづらくなる、といった悪循環になりがちです。
マーケティング関連プロジェクトをしっかりと実行し成果を出すための手法として現在注目されているのが、外部の専門家(業務委託や副業人材等)の活用です。
マーケティングが外部人材活用に向く理由
マーケティングのうちの多くの事柄で、外部の専門家を交えた方が良い理由は以下のようなものがあります。
- 専門分野が多岐にわたる(ホームページづくり、検索対策等)
- フルタイムでなくても良い内容が多い(週に数時間だけ行えば十分等)
- 一時的に発生する仕事がよくある(ホームページのリニューアル等)
- 他社の事例が参考になる(自社の社員は知らない情報等)※守秘義務等の範囲内
このように、マーケティングは全て社員に担当や兼務をしてもらうよりも、外部人材に一部を依頼をする方が適切となる要因が数多くあります。
また同時に、内部(社内)でやるべきこととの棲み分けも重要です。
社内でやるべきことと外部を活用するべきことの切り分けの考え方
では、どのような内容が外部人材活用に合うのでしょうか。
- 流行の移り変わりが早いもの(SNSの使い方など)
- 最新情報のキャッチアップが必要なもの(機能がどんどん改善されるツールなど)
- 深い専門知識やノウハウが必要なもの(施策の戦略や個別具体手法など)
などは外部の専門家をうまく巻き込み、活用することをおすすめします。
社内に常に情報収集や実行を行い続ける専任担当をおくのは、コスト面や社員のキャリア面からみても現実的ではないでしょう。
一方、社内で行う方が良い内容は、以下のようなものです。
- 顧客理解が重要になること(商品・サービスの改善、営業トーク、アフターサービス等)
- 社内との連携が深いもの(スピード重視の施策、社内ツール連携等)
- 今後の会社や事業の強みになりうること(対応スピード、SNS運用等)
- 社内の他サービスへのノウハウの横展開(新規事業や既存事業へのノウハウ活用)
このように、しっかりと意図をもって社外と社内の役割分担を行いましょう。
外部人材の活用で得られるメリット
外部人材の活用は、採用や内部教育よりも即効性があり、コストも少なくなるメリットがあります。
外部人材は、基本的には時給間算で依頼をすることができるので、その時に必要な業務だけを次々にいろいろな人に依頼できます。社員を一人雇用するよりも圧倒的に幅広く深いスキル・ノウハウを活用することができ、良い成果が見込めます。
仮に、年収600万円の人を採用すると、社会保障や席の確保、その他のコストを鑑みると年間1,000万円(月間80万円程度)程度のコストがかかります。
外部人材なら、社会保障等がかからないため雇用するよりも低コストで依頼をすることができます。年収1,000万円であれば、時給換算で約4,600円程度(月間180時間×20日で計算)となり、月間30時間(週に1日程度)であれば3人に依頼したとしても月間約40万円となります。
年収600万円(月間の会社のコストは約80万円)の人を雇用するよりも半分のコストで各専門家3人をプロジェクトに加えることができます。
ただし、外部人材を活用する際は管理のコストに注意が必要です。依頼内容の整理や、進捗確認、修正など、プロジェクトマネジメントが成功の有無に与える影響は大きいため、先に上げたような成功プロジェクトの共通項の実践を目指すことで成功確率は上がっていきます。
一方で、社員として雇用し会社組織に深く入ってもらえることによるメリットももちろんたくさんあります。細かなニュアンスや、外部人材には伝えられないような情報も伝えやすく、本人もしっかりと会社の成長に全力を注ぎやすいです。
内部と外部の両方うまくプロジェクトに巻き込むことがマーケティング関連プロジェクト成功のカギになります。
適切な外部人材の見つけ方
厚生労働省が副業・兼業を推進するなど、外部人材として依頼できる人の数は増加傾向にあります。
そうした方と企業とのマッチングサービスもたくさんあり、登録する方のスキルも様々です。
シンプルな画像制作などを行う方からマーケティング顧問を歴任している方まで、幅広いマーケティング関連の経歴を持つ人がいます。
自社に合う人の選定や、稼働するまでの契約等の手続き、稼働後のマネジメントなど手間はかかりますが、社内だけでの活動に頭打ち感を感じている方は一度試してみることをおすすめいたします。もちろん、知り合いづてなどで良い人がいれば、その方に頼むことを検討するのも有効でしょう。
売上・利益アップを狙ったマーケティングプロジェクトや外部人材活用に関してお悩みがございましたら、お気軽にご相談ください。
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